アンチラバー

アンチラバー

 きっかけはなんだったのか忘れたが、「トランスフォーマー」という新しい「アンチラバー」が出たと聴き昨夏か、ネットで調べた。今思うと当然ながら? ワールドラバーマーケット(WRM:World Rubber Marcket:世界のラバーの輸入・通販サイト:蘇我と高田馬場にリアル店舗もあるよう)のサイトに行き着く。いや、事態は逆で、たまたまこのサイトに行き着き「トランスフォーマー」を知ったのかも知れないが、それはさておき。

 WRMは、このラバーについて「5年に一度・10年に一度の革命的なラバー」と紹介している。もっともそもそも通販サイトだから、一種の「煽り」はあるのでこの見解は割り引かねばならない。しかしながら、このラバーに関して、試打をし解説をしている動画、さらには、メーカーの契約選手の試合の動画などもあわせて示しており、それを見ると相当おもしろいラバーだと思った。

 その前にひとこと。今やアンチラバーを使っている人はほとんどいない。それはどういうものかと述べておくと、まずは「裏ソフト」である。ただし表面が「ツルツル」でまったく「ひっかからない」。数年前に禁止されたラバーに「アンチ粒高」というのもあったが、それは別物。ここでいうアンチは「裏ソフトラバー」だ。

 「アンチラバー」の歴史は古い。日本でアンチが発売された年は今回特定できなかったが、確実に1970~1979年のどこか、それも1975年より前であろう。私の記憶であるが、たぶん卓球をやりはじめた前後に「アンチ」が発売された。「粒高」の初代フェイント(一枚・表両方あった)、最初の粘着性ラバー「タキネス・チョップ」が発売されたのは高校時代。私が卓球をやっていた中高時代は特殊性能ラバーの出始めであったのである。

 とはいえ、当時もアンチを主戦武器として使っていた選手は記憶がない。ほとんどカットマンがバック面に貼っていたのではないかと思う。私より一回り上(中・高)の先輩のカットマンが、出始めのアンチを使って、相手はまったく変化がわからず快進撃を続けたという話を聴いている。彼はそもそも強い人でインターハイにも行っているのだが、それが上記のアンチに替えた(もともとは一枚を使っていた)試合に一致するのかは聴いていない。

 バタフライの粒高・フェイントが出たことによって、異質カットマンも裏面は、粒高を選んだ。当時アンチでできることは、全部粒高でできたからだと思う。私も裏・一枚の異質カットマンであったが、アンチを通り越して粒高を採用した。当時のアンチでは、下がってバック(アンチ面)の処理は、ひたすら単調になる。ストップを叩くのにもスピードが遅い。一枚ラバーでパチーンとストップをはじくのが快感だったのだ。

 ということで、アンチはほとんど消えた。

 「粒高」が生まれる以前の変則攻撃タイプ「木ベラ」だった。当時(私の中高時代から数年以前)はラバーを貼らない面での打球が許されており、それを主戦とする戦型を「木ベラ」といった。止める、ふりまわす、チャンスボールをパチンと打つ、という今の粒高ペンの原型であるように思う(もっとも板でガツンと切るようなカット性ブロックなどできるはずもないので苦しい)。

 冒頭に出したトランスフォーマーは、動画をみる限り「理想的な木ベラ」である。まずは、ラバーの上を球がつるつるすべる(高回転サービスをラケットで「キャッチ」する動画が公開されている。ふわりと受け止めうまくバランスをとると、コマのようにくるくる回転した状態でラバー上にキープできるのだ=縦の回転は横に流すのだが)。

 木ベラのブロックには明らかに限界があった。がんがんドライブをかけられると止められない。このへんが男性の木ベラ選手がいなかった所以だろう。これは後年、粒高が発売されたことにより、カット性を含む多彩な粒高ブロックが生まれ戦型として成立することになった。トランスフォーマーのブロックは、低反発・ツルツルでよくとまるようにみえる~相手のドライブは強烈な下回転になり帰る)。
 まぁ、ネット上の動画を見る限り、相当面白いラバーだ。「えぐい」「ずるい」と行っている(動画でこの意味を理解せよ)。

 カットマン以外の変則系戦型はなかなかトップ選手にならない--特に男子-と言われていたが、トランスフォーマーの使い手・18歳のムラデノビッチ(ルクセンブルク)が、先の世界選手権で趙勝敏(韓国)と善戦した、というの話題になった。

 ほぼ6000円くらいするラバーであるが・・・。使ってみたい。

※ネットでは「WRM トランスフォーマー」で検索。

(2017/06/28)

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